「アルベルゴ・ディフーゾ」型のアブルッツォのアグリツーリズモ「La Canestra」

日本で行った「アルベルゴ・ディフーゾ=分散したホテル」のイベント。イタリアでの起源は、1976年のフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の地震の被災地が、その復興資金で修復した空き家を利用することから始まったそう。簡単に言うと、村の中にレセプション、客室、食堂などが点在している形態の宿泊施設で、近年は旅行誌やフェイスブックなどでも情報がよく出てきて気になっていたのですが、何気に、2010年のアブルッツォバカンスで宿泊していました!当時はアルベルゴ・ディフーゾという言葉は私も知らず、そのアグリツーリズモのサイトにもそんな記載はなかったように思います。現在は「アルベルギ・ディフージ協会」が存在し、今回紹介する La Canestra (ラ・カネストラ=籠という意味)はここには加盟していませんが、その形態はまさにアルベルゴ・ディフーゾでした。

La Canestraはアブルッツォ州のラクイラ県・Aglioni という集落の中でした。当時カーナビもスマホ(グーグルマップ)もない中、道すがら人に聞いてたどり着いた記憶があります。この1年半前に発生した大地震で被害を受けた集落で、一部の住宅とアグリツーリズモの一部の施設も閉鎖していましたが、修復をした家屋にレセプション兼食堂、客室、オーナー家族の家、スタッフの家、親戚?の家、小さな教会などが点在していました。その周りには彼らの菜園や家畜のスぺースもあり、自由に見学したり、犬やヤギも普通に歩いてたり、とにかくその空間全てが面白い。サイトで検索して偶然見つけたのですが、私たちのような小さい子供連れにはまさにピッタリの!アグリツーリズモだったのです。

何よりも、とっても自然でイタリアの田舎らしいオスピタリティ。お客様という感じでなく、お互いを名前で呼び合い、面白いことがあったら呼んでくれたり。そして、彼らがついでに少し離れた放牧地に行く時や、ちょうどサマーキャンプ?で来ていた女子学生と馬車で散策に行くから、と誘ってくれたり。堅苦しさのない、でもとても心地の良く、じーんとくるような気づかいがありました。

今でも名前を忘れない、ジュゼッペ。このアグリのこと、彼らの活動のこと、地震や復興のこと、いろいろ語ってくれました。そして奥さん・ブルーナとと娘・ノエミは、今日はこんな野菜があるよ!とか、こんな料理にしようと思うけど良い?と食事の相談をしてくれたり、ほぼノープランだった私たちに周辺の観光情報もたくさん教えてくれました。おかげで小さい子連れでも、宿でゆったりしながらも小さな村巡りや自然も超~満喫!

とにかく美味しかったのがご飯。ほとんどが奥さんの手作りで、朝食のリコッタチーズや特産のビスコッティ 「Orme di lupo =狼の足跡」 があまりに美味しくて、毎朝食べ過ぎになるほど。ビスコッティや手打ちパスタは、この地の小麦粉「ソリーナ」を使用したものだそうです。観光から帰って一息つき、その日の最後の楽しみだった夕食も、アブルッツォ名物のアッロスティチ―二(羊の串焼き)だったり、採れたての野菜だったり、シンプルなものばかりなんだけど、どのメニューも「うぉっ!」と感動するものばかり。

旅行好きの私たち夫婦は毎年いろんな場所にバカンスに行き、いろんなタイプの宿に宿泊していますが、「もう1度戻りたい」とまっさきに思うのは、この宿。何がそんなによかったのか?と今考えると、立地でもない。施設でもない(部屋はいたって普通)。やっぱりオーナーやスタッフの人柄というか、触れ合いというか、それはどんな立派な設備があったとしても、それに敵うものはないのだと思います。そして美味しい食事。凝ったもの、高級な食材でなくとも、生産者であり、それを自ら料理して出す、彼らの食やおもてなしに対する考え方やまごころが宿っている食事。

フラフラと集落を歩いていると誰かしら声をかけてくれたり、動物とたわむれたり、真っ赤な夕焼けや夜のホタルも忘れられません。そういう経験全てが、「もう1度戻りたい」という気持ちにさせてくれるのでしょう。

こうやって思い返してみて、私がこのサイトで紹介している宿やスタッフは、お客様にそういう気持ちになってもらえているか?これから紹介できる宿を増やしたいと思っていますが、どういう基準で探すか?コラボをするか?を再認識する、良い機会になりました。そして観光に力をいれ&私も応援しているおらが村や、過疎であえぐばーちゃん村など、イタリアの小さな村の活性化について私なりにいろいろ考えたりも。

そんなきっかけやヒントを与えてくれた本であり、またこういう「アルベルゴ・ディフーゾ」形態の宿に宿泊してみたい方に参考になるのがこの本です。

イタリアの小さな村へ~アルベルゴ・ディフーゾのおもてなし
中橋恵・森まゆみ著

協会のサイトを見ても、この本を見ても、トスカーナにはたくさんのアルベルゴ・ディフーゾがあるので、チャンスがあれば私も訪問したいと思います!~トスカーナだとなかなか宿泊する機会はないのですが💦

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

La Canestra
Via S. Rocco 40 Capitignano(AQ)
+39-3403889340

グランサッソとモンティ・デッラ・レガ国立公園のふもとにあり、私たちはここを拠点に下記の場所を周りました。実質5日の滞在で、1日で周ったところをまとめています

● カンポトースト湖
● ピエトラ・カーメラ、プラート・ディ・テーヴォ(山、リフトありの絶景ポイント)
● アマトリーチェ
● カンポ・インペラトーレ、カステル・デル・モンテ、サント・ステーファノ・セッサーニオ、カラショ ※要塞にはたどり着けず!
● ラクイラ、スルモーナ

※ 赤字は「イタリアの美しい村」にも選ばれている村です。
※ 私たちが訪問したのはラクイラ地震の1年半後だったので、ラクイラ観光はほとんどできませんでした(地震後の当時の現実を見せつけられましたが)
※ アブルッツォについては、私の友人のサイトもどうぞ参考にしてみてください!

イタ人気ブログランキングへ
イタリア情報ブログランキング

関連記事

  1. イタリア旅行で「アパート滞在」を強くおススメする理由

  2. 【チンクエテッレ】丘の上にある穴場の村・コルニリア

  3. 「イタリアのジェラート屋ベスト100」入り!ボルセーナの「Lolla」

  4. 【チンクエテッレ】世界一のプレゼーペでも有名!マナローラ

  5. パンツァーノ・イン・キアンティ、隠れ家のようなB&Bと料理教室

  6. 【チンクエテッレ】これぞ「崖っぷち」の村・リオマッジョーレ

  1. 食いしん坊にはたまらない!サンミニアートの「白トリュフ祭り」、

    2018.10.17

  2. 「有名で大きなワイナリー」と「無名の小さなワイナリー」、どっち…

    2018.10.16

  3. イタリアの「送り迎え地獄」事情と、我が家の週末

    2018.10.15

  4. タリアテッレ、パッパルデッレ・・・パスタの平麺の「種類&幅&合…

    2018.10.14

  5. 第1回近代オリンピック開催!アテネ「パナシナイコ・スタジアム」…

    2018.10.13

  1. 走行中の車窓からの撮影テクニックと、画像処理の方法

    2018.08.05

  2. 世界遺産の大パノラマを960mから見渡す!ラディコーファニの要塞

    2018.04.01

  3. 通訳アテンド同行で安心!電車&バスで行くワンディトリップ

    2018.03.19

  4. 食材ほとんどが自家製!フィレンツェ北部の田舎でマンマの料理レッ…

    2018.02.01

  5. フィレンツェ北部「休暇の家」で、気軽に本物の田舎体験!

    2018.01.29

Copyrighted Image