モンティッキエッロ、オルチャ渓谷の童話のような小さな村

オルチャ渓谷の中には、ピエンツァモンタルチーノなど、外国人観光客が多い町もありますが、広いエリアの中には、中世にタイムスリップしたような、童話の中に紛れ込んだような、そんな小さな村・集落も点在しています。その中の1つが、モンティッキエッロ。ピエンツァ市の分離集落で、ハイシーズンは観光客であふれかえるピエンツァとは違い、リラックスして散策や絶景が楽しめます。

これが村の入り口で、中世の門と塔が残っています。門をくぐってすぐ左が、このサイトでも紹介しているレストラン・La Porta。ちなみに上写真の門から左に少し行った別の塔は、旧市街内にあるB&Bと同じ経営者の現ミニアパート。気になる方は、お問い合わせくださいね。

この村の入り口、前から見えるオルチャの景色も最高です!この写真には写っていませんが、右斜め方向には、小さくピエンツァも見えます。

この村の魅力は、何といっても路地やアーチ。それらを愛でながら、ゆっくりと散策してみて下さい。

この写真左側のお宅が可愛くて、いつも写真を撮ってしまうのですが、こんな風に玄関が2階で外に階段があるお宅がとても多いです。きっと1階は、かつて農作物の倉庫や動物を飼うように使われていたんでしょうね(田舎の昔からある石造りの家はそんな造りが多いです)。右側の階段は、聖レオナルドとクリストーフォロ教会。

オリジナルは13世紀の建設ですが、1700年代と1900年代に改修が行われています。建設時期はちょうどロマネスクとゴシックへの移行期で、その時代によくあるT字型の構造になっています。

内部は建設当時の13世紀、シエナ派によるフレスコ画が残っています。

そしてもう1つの見所?が、村の上の方にある、かつての洗濯場。洗濯場はいろんな村にまだ残っていますが、こんな風に今でも水が流れている、水が張ってあるのはなかなかありません・・・今でも何かに使っているのかな?

そして、村の北側の城壁と塔。村の記録は10世紀にまで遡り、城壁の建設はなんと1260年!塔は北側城壁に2本のこっていますが、1本は放置され、写真に写っているもう1本はリフォームされ、私邸になっているようです。なので城壁も塔も見るだけなのですが、このオリーブ畑と、オルチャ渓谷を含めたパノラマは本当に絶景!ぜひ村の上まで上がってみて下さいね。

ローシーズンは空いてないお店やバールも多いですが、イースター頃から観光客もやってくるので、お店も開いています。そしてLa Porta の他に料理レッスンも可能な新しいレストラン、そしてB&Bもあるので、オルチャの観光の起点としても使えます~ハイヤーさんもピエンツァ、至近にいるので便利です。そして絶対忘れてはならないのが・・・

トスカーナの写真集やポストカードに、必ず!といってよいほど出てくる、この糸杉の並木道。モンティキエッロの村近くの砂利道を少し行った、草原からこの眺めが見られます。

最後に、ここモンティキエッロは全住民が参加する協同組合があり、市民劇とその活動で有名です。数年前に偶然、友人の幼馴染が快調であることが分かり、演劇や彼らの活動を間近に見せてもらってますが、村のあり方や小手先だけでない本当の村おこし・村の活性化戦略が本当に素晴らしく、日本の関係者の方々にもぜひ視察に来て欲しい村でもあります。

モンティッキエッロ「テアトロ・ポーヴェロ」、住民全員参加の歴史ある市民劇団

彼らの新しい活動であるオルチャ渓谷E-Bike(電動アシスト付き自転車)ツアーも超おススメです!

オルチャ渓谷の絶景と小さな村を巡るサイクリングツアー(E-Bike)

私も何度も訪れていますが、時間が経つと、またふらっと訪れたくなるとってもチャーミングなモンティキエッロ。皆さんもぜひ、オルチャ渓谷を周る際には、ふらっと訪れてみて下さいね。

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

【観光情報】
Montichiello.org

【行き方】
モンテプルチャーノからバス53Aが出ていますが、通学用で1日1本、観光用には使えません。ピエンツァやモンテプルチャーノからは車で10~15分なので、このエリアに車で観光中に寄りましょう。小さな集落ですが、小さい割に宿泊施設やレストランはそれぞれ2~3軒づつあります。

 

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