受け継がれた伝統が、終わりを迎える時~おらが村の「石臼搾油所」の終焉

大なり小なり、伝統を受け継いでゆくのには、大変なことがたくさんあります。それは受け継いでいく人や組織のモチベーションや情熱、技術、資金、などなど。それらの課題を乗り越えてゆくものだけが、こうして今にも、そして将来にも残っていくのですが・・・しかし、それが乗り越えられなかったら?・・・今回、残念なことに、おらが村の搾油所が長く続いた伝統に終止符を打ちました。

おらが村の搾油所は、昔ながらの石臼での搾油。もう100年以上も続いているこの搾油所は、小さな構造ながらオリーブの投入からオイルの完成までは全て目視できる環境にうまく作られていました。空気との接触が一切ない搾油マシーンとは反対に、空気に触れる分、オイルのクオリティとしては落ちるのかもしれませんが、昔からこの地のオリーブ農家、オリーブを自家生産する家庭が営んできた、その姿をそのまま見られる貴重な場として、トスカーナ自由自在のお客様にもたくさんお越し頂いていました。

しかし、昨年ニコーラと話していた時、「この石臼も長期使用すると摩耗によってすり減ってくる。石臼の高さを下げてまだ機能させているが、もう需要がないから交換用の石臼を作ってるところもないし、中古を探すしかないが、それも難しい」と聞いていたのです。そして、私もママ友でもある彼の義姉から、日本帰省前に石臼搾油をやめ、近代的マシーンに入れ替えることを聞き・・・まずもう使える石臼がないこと、そして今の状態では、衛生法を遵守することが厳しいことも1つの理由でした。

現在、搾油所では内部工事?の真っ最中。とても小さな搾油所だし、まずは10月末までの搾油シーズンに間に合わせることができるのか?が最優先事項で必死、という感じでした。ここはオリーブ畑を持つ生産者でもあるので、自社の搾油、そして地元のお客さんの搾油もここでできるのか?できなかった場合は、自社のももちろん、今までのお客さんも他の搾油所に流れて行ってしまう・・・近代設備に変わることで新しいお客さんが来ることもあるので、今回のことは決してマイナスではないけれど、先代のおばあちゃんから見ていた私は、やはり心寂しい。

そして、設備が変わっても見学とテイスティングを見られるかどうか?が、気になる所ですが・・・トスカーナの代表的な生産物であるオリーブオイルの搾油がどのように行われているか?それは伝統的搾油方式でなくなっても、お客様の興味はあると思うのです。そして何より、搾りたてのフレッシュオイルを味わえるのも、搾油所ならではのお楽しみ・・・お客様のこの笑顔がまた見られるよう、新方式でも見学&テイスティングを受け付けてくれることを願うばかりです。

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