近年、海洋生物がプラスチックを摂取して死亡するケースが多数発見され、「プラスチック・フリー」の動きが高まっています。EU議会では、2021年中にカトラリー、お皿、ストローなどの使い捨てプラスチック製品使用を全面禁止、それ以外のプラスチック製品も段階的に縮小していく法律が成立しています。TOP写真は、COOPフィレンツェのポスター「環境は使い捨てじゃない」、これまでもスーパーのビニール袋は有料かつ堆肥化できる素材でしたが、COOPフィレンツェでは2021年を待たずにこの6月1日から、コップ、お皿、カトラリーなど使い捨てのプラスチック製食器を店頭から撤去したのです。
これだけ迅速に思い切った決断と行動はなかなか!ご覧のように、今までプラスチックの使い捨て食器があった場所には、COOPのBIOやECO製品ブランドであるVivi Verdeや、他社(Naturanda というルッカの会社)の堆肥化できる素材での使い捨て食器に変わっています。値段は、深皿で12~15枚が約2ユーロ。今まで50枚がそれ以下の価格だったと考えると、4倍近くの値上がりです。
うちは6月の前半に次男の誕生日パーティを行ったので、Vivi Verdeのコップと、Ilip Bioというボローニャ県の会社のお皿&カトラリーを購入。4倍近くの値上がりと言っても、年に1回のイベント経費が今まで5ユーロから20ユーロに上がっただけ、それで無駄なプラスチック用品を使わないで済むのなら、安いものです。
他にも、ジェラートメーカー大手のCarte d’orは、プラスチックから紙パックになっていました。
その他、海の最前線では・・・
トスカーナの庶民的ビーチでもあるヴィアレッジョでは、この夏の海水浴シーズンにプラスチック製の使い捨て製品を全面禁止、使用の罰金は500ユーロ!ヴィアレッジョは巨大山車パレードで有名なカーニバルがありますが、ここでもすでに、プラスチックの環境被害をこんな山車で痛烈に表現していました。
プラスチック・フリーの動きは、ビーチだけでなくホテルにも。
この9月に、環境省とホテル協会による議定書により、ホテルで提供される使い捨てプラスチック製アメニティを禁止、27,000のイタリアのホテルで実施されるそう。
そしてこちらは、フィレンツェ市長のナルデッラさんのFBより。こちらの学生は、学校に家から飲み物を持っていくのですが、その大半はプラスチック製ボトル。その消費を阻止しようと、Publiacqua社管轄のフィレンツェなどの市の小学生に、フィレンツェ市章入りアルミ製のボトルをプレゼント!確かに、イタリアで何が多いかって、飲料水のボトルですよね・・・我が家ではもうかなり前から水道水+フィルター付きの容器を使っていますが、あの水を買う時の重さ、置くジャマさ、そして廃棄、と、環境面以外でも面倒なことだらけだったのでやめて超スッキリしたのですが・・・なんで皆、ボトルの水を買ってるんやろ?
特に熱心に調べたわけでないですが、あちらこちらで上がってくるプラスチックフリーのニュース、イタリアではプラスチックフリーの動きが急速に進んでいるように見えます。おそらくもっともっと進んでいる国もあるだろうし、個人差もものすごくあると思うのですが・・・ただ消費者のニーズだけに振り回されず、行政やメーカー&お店が、作らない&売らない、と先導していくしかないと思います。冒頭で書いた使い捨て食器だって代替品があるわけだし、それがスタンダードになっていけば値段も下がるんですから。