取材通訳の掲載紙到着と、私の仕事の原点「語学で身を立てる」

バカンスから自宅に戻った時、ポストに突っ込まれた大きな封筒。日本から、5月末~6月頭に6日間にかけてコーディネイトと通訳をした取材が、記事となった掲載新聞でした!初めての取材通訳コーディネイトから15年、同じ日経新聞さんでは通算8回目、日曜美術特集面としては5回目の大役。通訳という仕事は、特にビジネスとか視察の通訳は、形に残ることはほとんどありません。そして通訳当日を迎えるまでの、コーディネイト業務は本当に地道で、特にイタリア人相手はかなり根気が必要で、精神がすりきれてしまう事も少なくありません。なので、それを経て取材が無事に終了し、自分が双方の言葉を伝えた結果がこうして記事になって形として残ると、なんとも言えない上越感に浸ってしまう・・・それは私自身が発した言葉でもなく、記者さんの文章の才能で素晴らしい記事になっているからなのですが(笑)。

この7月、イベントで東京に行くことになり、FBでも繋がっている1人目の記者の方にお声がけして頂き、私が通訳コーディネイトをさせて頂いた歴代記者4人の方と夕食会が行われました。当時の取材の話、そして(多少の社交辞令はあるかもしれないけど)「中山さんほど一生懸命に対応してくれる人はそういない、信頼感が違う」と、4人の方から口を揃えて言って頂いて。自分の仕事の評価は、上司も同僚もいないフリーランスはなかなか得ることが難しいものです。クライアントさんからお礼のメールなどを頂くこともあるけれど、一番決定的な評価と言うのは「また仕事を頂けるかどうか」、リピーターさんになって頂けるかどうかなのです。この言葉を頂いて、通訳と言える仕事をし始めて2~3年のころ、何度も読み返した本を思い出しました。

「語学で身を立てる」猪浦道夫

当時の私にとって、全てが役に立ちましたが、「これから通訳者としてどうやったら仕事を頂けるだろうか?」という、当時の一番の心配にガッツリ響いたのが、第9章「プロモ―ション戦略~いかに仕事を獲得するか」。

プロとして仕事をしていうためには、人付き合いも非常に大きな意味を持ちます・・・人付き合いのうまさというのは、最終的には誠実であることです。どんな小さな仕事でも、自分が一度やると決めて引き受けた仕事はベストを尽くして・・・謙遜ではなくて、私は語学屋としてはむしろ二流だと思っています・・・語学で生計を立ててこられたのは、ひとえに語学以外のところで誠実に仕事をこなしてきたから・・・

この方が二流なら私は五流かそれ以下ですが(爆)、当時まだ自分の語学力に自信がない私は、この文章を何度も自分に言い聞かせました。今は時間的にも量的にも、それなりの経験も積んできたとは思いますが、それでもまだ自分の語学力自体には100%の自信はなく、未だに反射神経的に「それ以外の部分でカバーしないと!!」と必死。それは希望のアポを全てとることだったり、役に立ちそうな情報を追加することだったり、いろいろあるのですが、その様子が、きっと頂いた言葉につながっているのでしょう。通訳歴15年にして100%自信がないというのはホントに格好悪い話ですが、100%自信があるという驕りがあれば、きっと単語を復習したり、直接関係ない資料でも目を通したり、また語学力以外の部分で一生懸命やることもないと思ったり・・・そういう意味では、100%自信がないのは良いことだし、100%の自信というのは一生持てないものだとも思います。きっとこれは通訳に限らず、フリーランスをはじめとする仕事をする人全般に言えることかもしれません。

という事で。まるっと収まっていた今週末からの視察案件に緊急事態。誰のせいでもない仕方のない事態で、代替え案も時間的に厳しくはありますが、何とかクライアントさんの希望を叶えられるよう、最後までできることをにやってみようと思います。

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