2019年12月15日まで!フィレンツェSMN教会での「レオナルドと植物学展」

今年はレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500周年ということで、ミラノ・フィレンツェを中心として様々な特別展が行われています。ストロッツィ宮殿の「ヴェロッキオ、レオナルドの師匠」など、残念ながら終わってしまったものもたくさんありますが、逆に最近始まったものも~その1つが、フィンレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会で行われている「レオナルドの植物学~芸術と自然の新しい科学へ」です。この6月に新聞取材通訳でレオナルド関連のものをかなり巡ったこともあり、今回の展示会もぜひ見ておきたかったのです。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会へは、駅前広場・ツーリストインフォメーションからと、教会正面右横の1つがあります。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会はとても広いのですが、レオナルドの特別展の会場は「Chiostro Grande = 大きな中庭」。このように、真ん中には8面体、展示会のある回廊側には12面体、20面体、正6面体、4面体のの模型が並びます。

展示会は、この回廊の下から始まっています。回廊は「レオナルドとメディチ家のフィレンツェ」、1400年代後半にメディチ家の庇護のもと、芸術だけでなく哲学や科学、技術の大復興が行われた時期、その主役はもちろん、レオナルドですね。彼が左から右に鏡文字で書いたコードは、鏡で読めるようになっています。カリグラフィーとしてもとても美しい・・・しかし、どれだけ器用なんだ⁉

入口は薄暗く、手前天井に浮かび上がるのはミラノ・スフォルツァ城で最近修復が終わった「アッセの間」のフレスコ画(TOP写真)。そこに描かれているのは、桑の木・・・緻密に描かれた木は、まさにレオナルドの自然観察と、そこから考察された地球上の体系学なのです。

自然観察は芸術のための表面的なものかと思いきや、木の年輪についての考察もしているのです。写真は、横にある年代の書いたボタンを押すと、木の断面図のその年の年輪が光り、その年の出来事が映し出させる仕掛けに。

そして、植物ごとにどのように葉が映えてくるかの観察、何となく生えてる葉にも、太陽光を平均的に浴びられるように一定の規則がある・・・そんなことを発見したのもレオナルドなのです。

この特別展では、ミラノのアンブロジアーナ図書館所蔵のアトランティコ手稿から、植物に関する3枚が貸し出されています。写真は、そのうちの1つ、ユリ科のアスフォデルスの観察と考察・・・見た目だけでなく、左下には内部の解剖図のようなものも。そしてここでも手描きの鏡文字が・・・何を書いていか分からなかったとしても、ただただ、これがレオナルト直筆かと思うだけで、これを書いている姿を想像するだけで、感動がこみ上げてきます。

細長い展示室の奥にある12面体の模型は、中に入って手を広げるとウィトルウィウス的人体図になるというもの。残念ながら私は1人で行ったので誰も写真を撮ってくれる人がおらず、また私が館内にいた時は誰も入っているのを見ませんでした(苦笑)。最近の展示会やイベントって、こうやって写真を撮影してタグ付けして投稿してもらう、っていう仕掛けがはずせないみたいですね。

展示会は、アレッツォ郊外・サンセポルクロに本社がある薬草製品メーカーAbocaがメインスポンサー(ハーブ好きの方はAbocaハーブミュージアムへぜひ!)。ブックショップでは展示会やAbocaに関連する商品や本も購入できますよ。

チケットは展覧会だけでなく、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の内部全てが見学できます。これはお墓が並んでいることから名づけられた「死者の回廊」。1300年前後のフレスコ画に覆われた空間は、時が止まってしまったかのよう。

元々は教会左横にある緑の回廊にあった、パオロ・ウッチェッロのフレスコ画が近年修復され、奥のRefettorio(食堂)に展示されているのもお見逃しなく。その他、スペイン人の大礼拝堂も迫力のある大型のフレスコ画が見応えあります。

教会内は、言わずと知れた名作が数多く。教会中ほどには、ジョットの十字架像、マザッチョの「三位一体」というルネサンス初期の革命的な作品から、祭壇後ろにはギルランダイオ、その右横のストロッツィ礼拝堂にはフィリッポ・リッピのフレスコ画、祭壇左にはブルネッレスキの十字画像など、盛りだくさん。その他の写真は、下のギャラリーでご覧くださいね。

私はその後に用事があったので合計で1時間ほどしかいられませんでしたが、レオナルドの特別展示も、教会も、もっとじっくり見たかった・・・レオナルドの特別展示は12月15日までなので、それまでにフィレンツェ県民が10ユーロで購入できる「フィレンツェ市立美術館パス」を購入して再訪問したいと思います。

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

LA BOTANICA DI LEONARDO
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内(入場はPiazza della staizone 4 またはPiazza Santa Maria Novella )

2019年9月13日~12月15日まで
10月以降の開場時間は、月~木&土・9:00-17:30、金・11:00-17:30、日・13:00-17:30

大人10ユーロ、11才~18才7.50ユーロ(レオナルド特別&サンタ・マリア・ノヴェッラ教会全て)

人気ブログランキングへ
イタリア情報ブログランキング

関連記事

  1. 【フィレンツェの素敵な通り】ズドルッチョーロ・デ・ピッティ通り

  2. フィレンツェ北部、日常生活が感じられる田舎の便利なB&B

  3. 2020年はしみじみと、おらが村のクリスマスイルミネーション

  4. 今も残る、古のフィレンツェの門と塔

  5. HARIBO好きは卒倒?初めてのHARIBOアウトレット!

  6. 2020年夏・トスカーナの風景~その1・おらが村ゾーンのひまわり畑と藁ロール

  1. フィレンツェ北部の「イタリアの美しい村」・パラッツォーロのアル…

    2024.03.28

  2. 終わりは新しい冒険の始まり

    2024.03.22

  3. シエナーアレッツォ間で行きやすい!美しき「愛の村」、ルチニャーノ

    2024.03.06

  4. TVドラマ「マメ―リ、イタリアを夢見た青年」

    2024.02.26

  5. ヴァザーリの右腕、ジョヴァンニ・ストラダーノ生誕500周年の展示会

    2024.02.18

  1. 電子書籍「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」発売

    2020.12.12

  2. 通訳アテンド同行で安心!電車&バスで行くワンディトリップ

    2018.03.19

  3. イタリアでの視察・取材&写真・記事作成を代行します

    2019.11.07

  4. トスカーナ北部ロンダで「自然農法」農家視察研修プログラム

    2019.10.17

  5. 食材ほとんどが自家製!フィレンツェ北部の田舎でマンマの料理レッ…

    2018.02.01

イタリアの宿泊なら?

このエラーメッセージは WordPress の管理者にだけ表示されます

エラー: フィードが見つかりません。

アカウントを接続するには、Instagram Feed の設定ページに移動してください。

Copyrighted Image